統率者戦のブラケット制度とは — B1〜B5の違いと卓での合わせ方
統率者戦のパワーレベルを示すブラケット制度(B1エキシビション〜B5 cEDH)を日本語で解説。卓で気持ちよく遊ぶための擦り合わせ方をまとめました。
最終更新: 2026-08-10
統率者戦で最も多いトラブルは、「デッキの強さが噛み合っていない」ことです。片方が数ターンで勝ってしまい、もう片方は何もできずに終わる——これでは全員が楽しめません。
この問題に対処するために導入されたのがブラケット制度です。デッキのパワーレベルを1〜5の段階で示し、対戦前に共通の物差しとして使います。
ブラケットの5段階
5段階の違いを1枚にまとめました。それぞれ「どんな卓か」「何ターン続く想定か」「何を入れない想定か」が分かります。
卓を合わせる5段階:ブラケット B1エキシビション〜B5 cEDH の早見表(タップで拡大)
文字でまとめると次のとおりです。
| 名称 | どんなデッキか | 想定するゲームの長さ | |
|---|---|---|---|
| B1 | エキシビション | テーマ重視・勝ちを狙わない趣味のデッキ | 9ターン以上 |
| B2 | コア | 構築済みデッキと同等 | 8ターン以上 |
| B3 | アップグレード | 構築済みデッキを強化した、慣れた人のデッキ | 6ターン以上 |
| B4 | 最適化 | 制限なし。強いカードを詰め込んだデッキ | 4ターン以上 |
| B5 | cEDH | 競技環境。最速・最強を追求 | どのターンでも終わりうる |
ゲームが何ターン続く想定かが、段階を判断するうえで分かりやすい目安になります。「気づいたら4ターン目に勝負が決まっている」なら、そのデッキはB4以上の可能性が高いということです。
B1 エキシビション
「デッキとして成立していればOK」という枠です。全カードが猫のデッキ、特定のイラストレーターだけで組んだデッキなど、勝敗よりコンセプトを楽しむためのもの。
勝つことを目的にしていないので、真面目に組まれたデッキと当たると一方的になります。
B2 コア
構築済みデッキそのもの、あるいは少し手を入れた程度のレベル。統率者戦の入り口として最も人口が多い層です。
- ゲームは概ね中盤〜終盤まで進む
- 無限コンボによる即死はほぼ起きない
- 初心者同士ならここを想定しておけば安心
B3 アップグレード
構築済みデッキをベースに、カードを入れ替えて明確に強化したデッキ。統率者戦に慣れた人の「普段使い」がこの層に集まります。
- 数枚の強力カードが入る
- コンボはあっても終盤に決まる程度
- 一般的な週末のプレイグループはこのあたり
B4 最適化
制限なし。強いカードを惜しみなく入れ、勝つことを明確に目指すデッキです。高額カードや無限コンボも入ります。
B5 cEDH
競技統率者戦。数ターンで決着する環境で、デッキ選択もカード選択も勝率を最優先します。B4とは別物と考えたほうがよいでしょう。
ゲームチェンジャーは何枚まで入れられるか
段階を分ける最も分かりやすい基準が、ゲームチェンジャーの採用枚数です。ゲームチェンジャーとは、公式が指定している「特に強力なカードのリスト」で、2026年8月時点で53枚あります。
| ブラケット | ゲームチェンジャー |
|---|---|
| B1 エキシビション | 0枚(入れない) |
| B2 コア | 0枚(入れない) |
| B3 アップグレード | 3枚まで |
| B4 最適化 | 制限なし |
| B5 cEDH | 制限なし |
つまり、1枚でも入れた時点でB3以上、4枚以上入れたらB4以上になります。数えるだけで判定できるので、自分のデッキがどの段階かを確かめる最短の方法です。
どのカードが該当するかはゲームチェンジャーカード一覧で日本語で確認できます。
枚数以外の4つの制限
ゲームチェンジャー以外にも、B1〜B3では控えることになっている要素が3つあります。
| ゲームチェンジャー | 大量の土地破壊 | 追加ターンの連鎖 | 2枚コンボ | |
|---|---|---|---|---|
| B1・B2 | 0枚 | 不可 | 不可 | 不可 |
| B3 | 3枚まで | 不可 | 少数のみ・連続や無限は不可 | 終盤のみ(序盤に決まる構成は不可) |
| B4・B5 | 制限なし | 可 | 可 | 可 |
大量の土地破壊とは、1人あたり4つ以上の土地を破壊・追放・戻す、タップしたままにする、生み出すマナを変えるといった効果を指します。これらはB3までは入れないのが前提です。
追加ターンは、B3では少数なら入れて構いませんが、連続して打ったりループさせたりする構成は想定されていません。
2枚コンボ(2枚のカードが揃うと無限ループや即勝利になる組み合わせ)は、B3では終盤に決まる分には許容されます。序盤から狙う構成はB4以上です。
補足: かつては「サーチ(チューター)カードの枚数制限」もありましたが、2025年10月の更新で撤廃されました。古い解説記事にはまだ残っていることがあるのでご注意ください。
注記: ブラケット制度は現在ベータ運用で、内容が更新されることがあります。本記事は2026年8月時点の情報です。最新の運用はWizards公式のブラケット解説およびCommander Rules Committee の公式サイトをご確認ください。
卓での合わせ方
遊ぶ前に一言確認する
これだけで多くの事故が防げます。
「今日はブラケット3くらいでいきましょうか」
数字を出すだけで共通認識ができます。 特に初対面の相手や、ショップの野良卓では必ず確認しましょう。
自分のデッキがどこか分からないとき
一番確実なのは、ゲームチェンジャーが何枚入っているか数えることです。
- 0枚 → B1〜B2
- 1〜3枚 → B3
- 4枚以上 → B4以上
そのうえで、次の質問でも目安がつきます。
- 構築済みデッキをそのまま使っている? → B2
- 構築済みデッキから10〜20枚入れ替えた? → B3
- 大量の土地破壊や、連続する追加ターンが入っている? → B4以上
- 2枚コンボが序盤から決まる構成になっている? → B4以上
- 1万円を超えるカードが複数入っている? → B4以上の可能性が高い
迷ったら少し低めに申告するのがマナーです。「B3のつもりが実はB4だった」より、「B3と言ったが実際はB2寄りだった」ほうが場は荒れません。
噛み合わなかったときは
途中で明らかにパワー差があると分かったら、次のゲームでデッキを替えるのが最善です。1ゲーム目は割り切って、卓の全員で調整しましょう。複数のブラケットのデッキを持ち歩いている人も多くいます。
コマンダーRECでのブラケット活用
このサイトではブラケットごとの採用カードを切り替えて閲覧できます。
統率者ページを開くと、カード一覧の上に「全体 / B1 エキシビション / B2 コア / B3 アップグレード / B4 最適化 / B5 cEDH」のタブがあります。
- B2を選べば、構築済みデッキ相当の構成でよく使われるカードが分かる
- B4/B5を選べば、最適化した場合の構成が分かる
- 同じ統率者でも、ブラケットによって採用カードが大きく変わることが見て取れます
自分のデッキが目指すブラケットに合わせて参照すると、過剰に強すぎるカードを入れてしまう事故を避けられます。
また、みんなのデッキでは各デッキにブラケット表示(B1〜B5)が付いています。自分と同じ帯のデッキを参考にしてみてください。
次に読む
- ゲームチェンジャーとは — ブラケット判定に直結するカード群
- 統率者戦の始め方 — 基本ルールのおさらい